サウンド担当者とプランナー向けの導入部

サウンド担当者とプランナー向けの導入部


ここの章は文章ばかりでつまらないでしょうが我慢して読んで下さい。

●サウンドの種類

一言でサウンドといった場合、大きく分けて次の3つに分かれます。

1:BGM
2:効果音
3:音声

BGMはアプリケーションの実行中にながれている曲の事です。
効果音は、例えばコントローラのボタンを押した時に出る音や、 アクションが起こった時に出る音(ドアが開く音や、爆発音など)です。
音声は、かけ声や、物語の説明などを実際の人間の声です。

●再生方法

再生方法は、作曲の方法、データの作り方に関わる大切な事柄です。
種類によって、また、再生方法によって長所、短所がありますので、 きちんと把握して、クオリティの高いものを選択しましょう。
KATANA上での再生方法には、次のようなものがあります。
・CDプレイヤで再生出来る普通のオーディオトラック(GD-DAと言います。)
・PCMデータをCDに置いて直接再生(便宜上、PCMストリーム再生とします。)
・メモリにPCMデータを置いて再生(便宜上、オンメモリPCMとします。)
・PCMデータをサウンドのメモリに予め置いておいて再生(OneShotといいます。)
・MIDIシーケンス

ここで言うPCMとは、AIFFやWAVE、SDII等で使われるデータ形式の リニアPCMとADPCMにわかれます。
それでは、ここの再生方法の特徴を次のような項目に分けて見てみましょう。
再生時間 どのくらい長い曲を再生できるのか
音質 どのくらいクオリティの高いものが再生出来るのか
再生中の変更 曲の再生中にテンポやピッチ等を変更できるのか
データ量 どのくらいサウンドデータを必要とするのか
CPUの負荷 マシン本体にかける負担
メモリ どのくらいメモリを必要にするのか
同時再生 同時再生が出来るか否か
ループ再生 ループ再生がスムーズにできるのか
収録の方法 サウンドデータはどういう方法で作るのか
得意なもの 得意とする再生スタイル
その他 その他何か注意しなければならない事や特筆すべきこと

GD-DA

GD-DAは、KATANAに標準でついてくるCDプレイヤーで再生できる曲のことで、 高い音質を持っています。基本的には普通のCDプレイヤーで再生するものと同等です。普通、KATANAのGD-DAはCDプレイヤーでは再生できません。


・特徴
再生時間 普通のCDプレイヤーで再生できるものは最大で4分程度、 KATANA附属のCDプレイヤーでしか再生できないものはCDが全てサウンドデータ だった場合、最大で約112分。
音質 普通のCDと同じ音質。
再生中の変更 音量のみ。
データ量 多い。
CPUの負荷 サウンドCPU、メインCPU共に非常に負荷は小さい。
メモリ サウンドメモリ、メインメモリ共に必要としない。
同時再生 GDDA一本のみ。GDDA再生中はCDを使う全ての仕事は出来ない(例えば、データの読み込みやCDから再生するPCMストリーム)
ループ再生 基本的にはループ再生は無理。切れ目なく再生させる事は出来ない。
収録の方法 普通のCDと同じ、スタジオレコーディングなど。
得意なもの BGM
その他 再生するまで若干のタイムラグがある。


PCMストリーム

CDからのPCMストリームは、GDDAクオリティのものから、低クオリティのものまで 音質を変える事が出来ます。

・特徴
再生時間 音質にもよるが制限はほとんどない。
音質 CDクオリティから、AMラジオのような荒い音質まで。
再生中の変更 音量、ピッチ、パン
データ量 音質に比例して上がる。CDクオリティでは、GDDAと同じ。
CPUの負荷 主にメインCPUに負荷がかかる。
メモリ 再生本数にもよるがある程度の処理用領域を必要とする。
同時再生 可能。3〜4本。GDDAを同時に鳴らす事は出来ない。
ループ再生 切れ目なく再生させる事が可能。
収録の方法 普通のCDと同じ、スタジオレコーディングなど。
得意なもの BGM
その他 再生するまで若干のタイムラグがある。


オンメモリPCM

メモリからのPCMストリーム再生はCDを使う再生方法には、再生が開始されるまでに 若干のタイムラグがあるのに対して、タイムラグの無い再生が出来ます。

・特徴
再生時間 メモリに依存。一般的に許される時間は非常に短い。
音質 CDクオリティから、AMラジオのような荒い音質まで。
再生中の変更 音量、ピッチ、パン
データ量 音質に比例して上がる。CDクオリティでは、GDDAと同じ。
CPUの負荷 主にメインCPUに負荷がかかる。
メモリ 曲の長さにもよるが非常に多くのメインメモリ、サウンドメモリを 必要とする。
同時再生 可能。4本まで。MIDIシーケンスを同時に再生できる他、GDDAやPCM ストリームを再生することも可能。
ループ再生 切れ目なく再生させる事が可能。
収録の方法 普通のCDと同じ、スタジオレコーディングなど。
得意なもの 効果音、セリフ


OneShot

サウンドメモリからのPCMストリーム再生はすべてのデータをサウンドRAMに置くため、サウンド以外のデータ(例えばグラフィック)等の影響を受ける事がありません。すべての設計をサウンドの制作者側で行う事が可能です。

・特徴
再生時間 65534サンプル未満。44.1kHzのもので約1.5秒音質を低下させる事で最大再生時間を稼げる。
音質 CDクオリティから、AMラジオのような荒い音質まで。
再生中の変更 音量、ピッチ、パン
データ量 一つの音に対して、最大でも220KB(サウンドメモリの約1/10)
CPUの負荷 主にサウンドCPUに負荷がかかる。
メモリ サウンドメモリのみが必要
同時再生 可能。8本まで。MIDIシーケンスを同時に再生できる他、GDDAやPCM ストリームを再生することも可能。
ループ再生 切れ目なく再生させる事が可能。
収録の方法 普通のCDと同じ、スタジオレコーディングなど。
得意なもの 効果音、セリフ


★MIDI

MIDIは、上であげた3つがレコードだとすれば、MIDIは楽譜と同じです。レコードは一度録音してしまったものですから途中での変更は不可能ですが、楽譜であれば、気分次第でテンポを変えたり、オーケストラの構成を変更してしまうといった芸当も可能です。

・特徴
再生時間 短いものから長いものまで。
音質 工夫次第ではあるが、一般的にはそれほど音質は高くはない。
再生中の変更 音量、ピッチ、パン、テンポ。
データ量 曲の長さの割には必要としない。
CPUの負荷 メインCPUにはほとんど負荷がかからないがサウンドCPUには、かなり負荷がかかる。
メモリ メインメモリはほとんど必要としない反面、サウンドメモリをかなり必要とする。
同時再生 可能。他の全ての再生方法との同時再生が可能。
ループ再生 切れ目なく再生させる事が可能。
収録の方法 MIDIシーケンサによる収録、または、譜面作成ソフトによる入力など。
得意なもの BGM、効果音



●サウンドのスペックを決める

こういったことをふまえて、アプリケーションでサウンドをどう取り扱うのかを 決定していきます。
スペック決定の際に重要なこととはどういうものでしょうか?
いくつか例を挙げてみましょう。

・シーンとシーンのつなぎをスムーズにさせたい。

例えば、
あるシーンから次のシーンに移るときに、サウンドのデータを読み込む時間をできるだけ減らして、シーンのつなぎ目をスムーズにさせたい。
といった要求の場合、
MIDIシーケンスを全て入れ替えるには時間がかかり過ぎてしまいます。
また、大量のデータをメモリ上に置いておかなければいけないオンメモリPCMにも同様の事が言えます。

・BGMと効果音をループさせたい。

BGMがループするのは分かりますが、例えば
通常のBGMに加えて、波の音や機械音などの効果音をBGMのようにループさせて使用する
場合、
長さの違う複数のBGMを同時再生させるのには、PCMストリームは相応しくありません。
一つをPCMストリームにして、もう一つをMIDIシーケンスにするとか、両方をMIDIシーケンスにするなどの工夫をする必要があります。

・ソフトのメイン処理にとても時間がかかる。

例えば、
3D次元計算やリアルタイムシミュレーションなどメインの処理が非常に大変で、サウンドにはあまり処理をまわす事が出来ない。
といった場合、メインCPUを酷使するPCMストリームオンメモリPCMは使えません。

・CDからのデータ取得が頻繁にある。

ソフトの都合上、例えば
ムービーの再生が頻繁に入るといった
CDを頻繁に使用する場合CDをアクセスするようなGD-DAや、PCMストリームはあまり好ましくありません。

・CDに納めるべきデータがたくさんある。

CDROMの中に例えば画像データなど非常に沢山のサウンド以外のデータが入る
場合、GD-DAのようなものは向きません。また、PCMを使うにしてもできるだけ長い曲を入れたいのであれば、音質を犠牲にせざるを得ません。

スペック決定は、サウンドの担当者だけでなく、企画担当の人や、プログラム、 グラフィックを担当など、プロジェクトの人たち全員で決めるものですが、 サウンドの担当として、自分がやりたい事とそれにはどれくらいの資源を消費 するのかを知っておけば、より音質の高いものを長い時間入れる事だって 可能になるのです。


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